ミャンマーのリハ〜言語聴覚士としての治療経験〜 ST渡邉弘人

こんにちは! Asian ST渡邉です!

私はJICAシニアボランティアで2018年から2年間、ミャンマーで言語聴覚士として活動していました。

ミャンマーでの活動以前は、日本の病院に勤務していたので、日本の患者さんをたくさん診てきた訳ですが、ミャンマーでの活動は最近の経験でもあり、今ならまだリアルに思い出せるので、今回はミャンマーで診た患者さんのお話をしたいと思います。

が、その前に前段階としてミャンマーのリハビリ事情についてお話したいと思います。

意外にも、ミャンマーでのリハビリテーションの歴史は古いです。私の配属先だったヤンゴン総合病院では、1953年に理学療法科が開設され、1955年に英国人PT(理学療法士)が配置されていたそうです。

ヤンゴン総合病院

1958年〜60年頃には、英国や米国で教育を受けたリハビリ医師、PT、OTによってリハビリ医療サービスが開始されており、日本とほぼ同時期に近代的リハ医療が導入されていました。

1964年にヤンゴン総合病院内で理学療法士の養成が始まったのも、日本の国立療養所東京病院付属リハ学院におけるPT,OTの養成開始とほぼ同時期です。

日本と大きく異なるのは、OTの養成が始まらなかったことと、その後の展開。ミャンマーは軍事独裁政権による統制経済や実質的鎖国政策により経済・社会の発展が長らく停滞しました。

その後、ミャンマー政府から日本に要請があり、2008年にJICAリハビリテーション強化プロジェクトがスタートしました。

このプロジェクトにより、ミャンマーのリハビリテーションは一定の質的・量的拡充が進みました。しかしながら作業療法士や言語聴覚士等の専門職の養成開始には至りませんでした。

そのため、私が赴任する前には、日本から3名のシニアボランティアの作業療法士が赴任されており、JICAのリハ強化支援は継続的に行なわれています。

長くなりましたが、ここまでがミャンマーのリハビリ事情についてで、ここからは失語症患者さんの言語リハビリ経験についてお話します。

40歳代、女性、脳梗塞(左)、発症後8日目にリハビリ病棟へ

言語訓練室

リハ初日:ご家族(姉)と一緒に車椅子でST室にやってこられた。右上下肢に麻痺がみられる。姉によると「話せない、食べられない、歩けない」とのこと。

本人は目は開いているが、ぼんやりされており、声掛けにも時々うなづく程度。

鼻からは管を入れられており(経鼻経管栄養)、日本でも使われるエンシュアリキッド(経腸栄養剤)を使っているとのこと。ミャンマーでエンシュアが使われていたことに少し驚く。

本人は会話ができる状態ではなかったので、カウンターパートのミャンマー人PTを通じてご家族から最低限の情報を取らせて頂いた。

実際はカルテもあり英語記載も多いのだが、やや雑な書き方が多く(私の英語力の低さもあり)情報収集は日本のようにはいかなかった。

脳梗塞は初発であった。右麻痺で右利き、言葉が出ない状況からは言語の問題が予測できた。

だが急性期でもあり、まずは全身状態や活動性の改善を優先し、摂食嚥下面の評価を行うことにした。

口の中は目立った汚れはなかったが、乾燥気味だったので、水分で軽く湿らせてから嚥下してもらった。問題なく行えた。

私の周りを主治医をはじめ何名かの医師やPTが囲って、評価の様子をじっと見学している。

その後、少量の水分やゼリーの嚥下も問題なかった。この日の評価は体調や耐久性を考慮して手短に終えた。

主治医が「どうだった?食べられそうか?」と聞いてきた。

主治医にはプリンやゼリーで食べる練習を進める旨を説明して許可をもらった。そのままご家族やカウンターパートに食べさせ方や注意点について伝えた。

ということで、この患者さんのリハビリ経過は今回はここまでにしたいと思います。一回では伝えきれないので、何回かに分けてお伝えします。

最後までお読み頂きありがとうございました^_^

リハビリのご相談やブログへのご意見・ご感想などお待ちしております!

参考記事:大塚進氏「ミャンマーのリハビリテーションについて」http://1post.jp/418

 

 

 

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